鉄扉の中の自由

2005/3 新生館スタジオ 
主催/ユニークポイント


一般的に組織というものは、真っ当な正論を言っているだけでは動かないものだと思う。個人として積極的になれないことでも、組織目標として理解し、従い、日々の仕事をこなすということは、よくあることだと思う。「落としどころ」をどこかに見つけることで、なんとか自分のバランスを取るわけだ。

私はある高校に非常勤講師として関わりながら、教師たちの「生徒のためだから」と行うすべての事柄の中心に、本物の生徒が誰一人としていないのではないかという疑問を抱き始めた。議論の中心にいるはずの生徒が、実は実在しないような気がしてきたのだ。「生徒のため」は教師たちの「落としどころ」として美化され、ごまかされてはいないか。そう考えると、なにもこの高校だけでのことでははなくて、国そのものの教育政策にも同じことが言えるのではないかと、偉そうに仮説を立てたわけだ。だからといって、本作で教育への提言をしようとしているわけではない。この風景を見ながら、なにか私たちのコミュニティーにも、似た感じがすると思っただけだ。ある学校の風景を描きながら、この感じを舞台にのせられたらいいなと思っている。(公演テキストより抜粋)

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